遺品整理の注意点、こんな業者は悪徳業者

ここ数年、遺品整理を専門に行う業者の数が増え続けています。遺品の仕分けから査定・買い取り、清掃や廃棄処分までを一手に請け負う大手の遺品整理業者から、査定や買い取り、廃棄、清掃それぞれの専門業者と提携している業者までさまざまです。

業者が増えたとはいえ、まだまだ馴染みのない業界なので、どんな業者をどのように依頼したらいいかが分からない方が多いと思います。成長途中の業界で、法整備などが行き届かないところもあるので、業者の中には依頼者の足下を見るような悪徳業者も存在します。

身内を亡くして、心の弱っているところにつけ込むような悪徳業者を選ばないよう、事前に知識を蓄え、対策を立てておきましょう。今回は、間違った選択をしないように、悪徳業者の実体と、被害に遭わないようにする方法をご紹介します。

悪徳業者によるよくある被害例

悪徳業者による被害の主なものは、「不当料金」「不正転売」「不遜な振る舞い」「家屋などの破損」「不法投棄」です。特に、相場の幅が大きく分かりづらい、料金に関するトラブルは多く発生しています。

料金に関するトラブルでは、見積もりをとったにもかかわらず、不当に高額な金額を請求されるのが最も多いケースです。
安い見積もりで安心していたら、支払いの段階になって、「廃棄処分の物が予想以上に多かった」「想定外の作業が発生した」などと言って見積もりの倍以上の請求をする悪徳業者がいるのです。

遺品整理の料金自体のトラブル以外にも、買い取り品の金額に関するトラブルもあります。依頼者が、買い取ってもらう遺品の価値を把握していない場合、業者の言いなりに安い金額で引き取られた物が後になって高値で取引されていることを知るというケースがあります。

中には、市場価値があることを知っていながら引き取り料を請求したり、廃棄処分と偽って持ち出して転売したりするなどの悪徳業者もいます。

悪徳業者の被害には、金銭的なこと以外にも、遺品を扱う態度に問題のあるケースがあります。いずれは廃棄になる物でも、遺品には故人の思い出が詰まっています。何の敬意も払わず、遺品をぞんざいに扱うような業者は、そもそも、遺品整理を専門に行う資格がありません。

遺品の扱いが粗雑な上に、搬出の際に家屋を傷つけたり、資産価値のある遺品を傷つけてしまったりするような悪徳業者に遭ってしまうと、依頼者の遺族の方々の気持ちが傷つくうえに、金銭的にも大きなダメージを受けてしまいます。訴えようとしたら、会社の住所が架空のものだったなどという最悪のケースも見受けられます。

さらに、廃棄処分を依頼した遺品が不法投棄されるケースもあります。遺品整理の料金の多くを占めるのが廃棄処分の費用です。その部分が不当に安い業者は、不法投棄を行っている可能性があります。

何も知らされなければ知らないままで終わりますが、遺品から見つかった情報から依頼者に連絡が来てしまうこともあります。慌てて業者に連絡してもすでに連絡がつかなくなったなどという事態になれば、不法投棄の罪を問われかねません。

このほかにも、遺品整理の終わった家に対して、必要のない特殊清掃やリフォームを強引にすすめる悪徳業者もいるので、遺品整理業者に依頼する時はくれぐれも事前の準備をしっかりとして、情報を集めておくことが肝心です。

チェックすべき、遺品整理に関わる許可証の種類

遺品整理業には業界の成長に伴って、リサイクル業者、廃品回収業者などが参入するケースが増えています。中には何の資格もない便利屋なども遺品整理を請け負っている場合があるので、遺品を扱うのにふさわしいかどうか、いくつかの資格を確認する必要があります。

遺品整理を専門に行う資格として「社団法人 遺品整理士認定協会」の認定する「遺品整理士」があります。

遺品に関する法的な知識から、遺品の仕分けの方法、処分の方法などを習得している確かな証拠になります。見積もりを依頼したら、現場確認に来た担当者の名刺に遺品整理士と記載されているかどうか確認しましょう。

遺品は、買い取りやリサイクルに回せるもの以外は廃棄処分となりますが、廃棄を行える業者かどうかの確認も必要です。先に述べたような不法投棄をされてはたまりません。

正規の業者は、「一般廃棄物収集運搬許可証」を所有しています。都道府県の市区町村単位で許可をしているもので、一般家庭から不要品を回収できる資格です。

リサイクルショップなどが持っている資格に「古物商許可証」があります。都道府県ごとの警察が発行している、中古品の買い取りと販売のできる資格です。中古品買い取りを前提とした資格なので、遺品の処分を有料で請け負うことはできません。廃棄処分すべき物があるときは、一般廃棄物収集運搬許可証も併せて持っている業者が安心です。

悪徳業者を選ばないようにするには

遺品整理で金銭トラブルに遭ったり、不快な思いをしたりしないようにするためには最初が肝心です。

できれば、ある程度遺品の仕分けを済ませて、業者に任せる範囲を明確にしておくことです。買い取り、廃棄処分、清掃などの必要範囲と、相場を調べてどう依頼するかを決めましょう。

全く手をつけることが出来ない場合は、相応の費用がかかるものと心得て、不当に安い業者に依頼しないことです。

「会社のホームページは分かりやすい内容か」「電話の対応が丁寧かどうか」「来訪時の担当者の身だしなみや態度はきちんとしているかどうか」をしっかり見極めましょう。

いずれ、不明な点をあいまいにしたまま、業者に言われるままに依頼してしまうと、遺品整理の当日に「こんなはずでは」という目に遭ってしまいます。

明快な料金体系で気配りも良く、誠実で感じの良い対応の業者を見つけるよう心がければ、悪徳業者に引っかかることはないでしょう。

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