遺品整理で捨てにくい手紙の片付け方

遺品の中で捨てにくいと思われるものには、故人の愛用品、作品、故人との思い出の品などのほかに手紙があります。

故人の親しい人からの手紙はもちろん、年賀状も何年分かまとめて保管されていて、その量も相当なものになるでしょう。また、銀行やクレジット会社などの金融関係や公的機関からの通知、公共料金の支払い関連の通知なども同様に数年分かあるとすれば、整理するのに手間も時間もかかります。

その上で、処分するとなると、故人の想い入れのある手紙類は処分しづらく、支払い関係の通知の中には今後も必要な物があるかもしれません。捨てにくいこれらの手紙類について、考えてみたいと思います。

手紙は3種類に分類する

故人の手紙類の整理をするときには、先ず、小さな段ボール箱を3つ用意して、「役所・金融機関・公共機関からの通知」「友人知人や近親者からの手紙」「年賀状や礼状」の3つの種類に手早く分けていきましょう。ハガキなどはつい読んでしまいますが、中身の吟味は分類後に行なわないといつまでも整理できません。

役所からの通知は、年金や税金関係のものであれば、最新の通知に対して必要な手続きを行います。金融機関に対しても所定の手続きが必要でしょう。故人がひとり住まいだった場合は、公共料金の清算もしなければいけませんので、これも最新の通知に従って支払いをしたり、解約をしたりする必要があります。

整理していく中で、家族や親族、友人知人に宛てて書き残した手紙が見つかることもあります。その場合は、きちんとその宛名の人に渡しましょう。後の処分はその人にお任せします。家族や親族に宛てた手紙の中に遺言書があった場合は、不用意に開封せずに家庭裁判所で相続人立会いのもとで開封しましょう。

おそらく、一番多いのは年賀状でしょう。故人が高齢の場合は、季節の挨拶を欠かさない方が多く、盆暮れの付け届けの礼状なども交わしていると思われます。親戚、友人知人、お世話になった方々からのこうした書状は、故人の人間関係そのものなので丁寧に扱いましょう。

それぞれ分類ごとの処分方法

「役所・金融機関・公共機関からの通知」は、故人がやり残したことがないか、亡くなったことを届け出る必要があるか、保存期間が定められているものかどうかなどをよく精査して処分しましょう。多くの場合は、1〜2年は保管しておく必要のあるものなので、送られて来た年を確認して問題ないものから捨てていきましょう。

判断がつかずに保管場所に困る場合は、まとめてコピーをとってファイリングしておくと、あとで確認しやすくなります。また、写真に撮ったり、スキャンしたデジタルデータをパソコンに取り込んで保存する方法もあります。

「友人知人や近親者からの手紙」は、送り主にお返しするものではありませんが、もし、その中に自分の送ったものを見つけたら、引き取って自分で保管するか処分しましょう。その上で、形見として残しておくものは、遺族各自が引き取って、そのほかは廃棄しましょう。

手紙類は紙なので燃えるゴミとして出せるのですが、公的な通知などは大事な情報が記載されているので、必ずシュレッターにかけるなど細かく刻んで廃棄しましょう。個人的な手紙やハガキなども、送り主の住所が書かれてありますから、その部分を塗りつぶすか、シュレッターにかけましょう。

「年賀状や礼状」は、送り主ごとにまとめて、住所録をつくっておきましょう。訃報を受け取っていない方からは、また年賀状が来るかもしれませんので、亡くなったことをお知らせする必要があります。必要な情報をまとめたら、個人情報に配慮してから燃えるゴミとして廃棄します。

「友人知人や近親者からの手紙」も同様ですが、故人や送り主の想いは大切にしたいものです。ただゴミとして捨てるのではなく、お焚き上げをしてもらうことも考えましょう。請け負ってくれる神社やお寺に持って行けばお焚き上げをしてもらえます。

遺品整理業者に依頼すれば、個人情報に配慮した方法で廃棄するので、細かく切り刻んだり、個人情報を塗りつぶしたりするなどの面倒な手間が省けます。業者によってはお焚き上げを請け負うところもあるので、きちんと要不要の分類をして整理された手紙類は、業者に任せるだけで処分が完了します。

いずれの場合でも、相続の問題などで何かの情報が必要になることもあるので、廃棄してしまう前に親族の方々に相談することは大切です。後々のもめ事の種を残さないためにも、ひと声かけておきましょう。

少量であれば自分で供養する方法も

そんなにたくさんあるわけではなく、お焚き上げをするほどでもない、という場合は、自分たちで簡易に供養することもできます。

きれいな和紙で包んで、その上から塩で清めれば、手紙類にまつわる想いが浄化されて廃棄できる状態になるといいます。お経を上げるまでもありませんが、「ありがとう」のひと言を添えて手放すのも心の整理をつける意味で有効な方法です。

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