お焚き上げとは?お焚き上げの方法と供養できるもの

長年愛用していたものがどうにも使えなくなったとき、しばらくはなんとなく部屋の中に置いたままにしてしまいますが、場所をとる上にホコリをかぶったり汚れたりしてきます。

見かねて処分しようと試みますが、引き取り手もなくゴミに出すしかないとなれば、かわいそうに思って躊躇(ちゅうちょ)してしまう、ということはありませんか?

日本人は物にも魂があると考えて、大切にしていた物は、お焚き上げをしたり、きちんと供養して処分するなどの習慣があります。

現代においては気にする人も少なくなっていますが、受け付けてくれる神社やお寺があるので、物にきちんと向き合う意味でも大事にしたい習慣です。

お焚き上げとは

「お焚き上げ」で一般的なのは、初詣の神社やお寺で旧年のお札やお守りをまとめて焼く行事でしょう。

お焚き上げは、神社のかがり火と仏教の密教系の護摩焚きがルーツの、火で清めながら物を供養する方法です。初詣には新しいお札やお守りを求める人が多いので、その代わりに自宅では処分しにくい、役目の終わった古いものを神社やお寺でまとめて供養してくれるのです。

また、1月15日近辺の小正月に行なわれる「どんど焼き」もお焚き上げの一つです。東海から西日本では「左義長」と呼ぶなど地方によって名称は違いますが、各家で持ち寄った正月飾りや書き初めを神社の境内、田んぼ、空き地などで焼いて、無病息災を祈る地域の行事です。ゴミに出すのはためらわれる縁起物などをいっしょに焼くこともありますが、主に正月飾りを焼くことから、正月の神様を天に帰すという意味があるようです。

しかしながら、最近では、有害物質の発生などが問題になって神社やお寺の敷地内でのお焚き上げが少なくなっています。

さらに、大きな物や燃えない物はお焚き上げできません。

このように火で清めるお焚き上げのできない物は、神社では祝詞、お寺ではお経で、物に宿った魂を清めて天に返します。清めた物はその後、お焚き上げが済んだとみなして適切な方法で処分します。

お焚き上げで供養するもの

正月には、お札やお守り、縁起物などを神社やお寺でお焚き上げしてもらいますが、神仏関係の物以外にもゴミとして捨てにくい物があります。

たとえば、不要になった長年の愛用品、人からもらったけれど使わない物、亡くなった人の物、人形など、だれかの思いがこもっている物は粗末に扱うとバチが当たりそうです。

お札やお守りは、ゴミ箱に捨てるなど恐れ多くてできるものではありませんし、してはいけないものです。その他普通の物はゴミとして捨ててしまっても問題なさそうですが、針供養などの例もあるように、日本人は昔から、物には魂が宿っていると心のどこかで思っているようです。

まして、長い間使っていたり、大切な人からの贈り物だったりすれば、不要になったとしても、ただのゴミと見なすことなどできないでしょう。

特に人形はそれ自体に魂があるように見えるので、粗末に扱うと悲しんだり怒ったりしているように思えてしまって、どんなにボロボロになろうともゴミとして捨てることが考えられなくなります。人型のものでもぬいぐるみでも、家族のように愛情をかける場合もあるのでなおさらです。

それでも、自分の持ち物の場合は、自分自身の心の整理がつけば感謝の気持ちを持って捨てることもできますが、亡くなった家族の物は、形見として引き取れる物以外は処分に困ってしまいます。

故人との思い出がつまっていたり、故人の思いがこもっていたりしてどうしても捨てられない物は、お焚き上げで供養してもらいましょう。
 

お焚き上げの方法、依頼先、料金

どんど焼きや初詣の際は、志を賽銭箱に入れて指定の場所において置くと後日お焚き上げしてくれますが、お正月以外でも神社やお寺にお願いすることができます。

ただし、お正月のときのような集積所は常に設けているわけではないので、最寄りの神社やお寺に直接連絡してお願いします。中には受けつけていないところもあるので、事前に調べておくといいでしょう。

なお、大量の物、大きい物、燃えない物は、お焚き上げで焼いてしまうことができないので、神社やお寺と提携している専門業者に依頼しましょう。

業者では、神社やお寺でお祓いや供養をしてもらったあと、行政で定められた方法で処分します。また、人形については、特別な思いがある場合、人形専門にお焚き上げや供養を行ってくれる神社やお寺があるので問い合わせてみましょう。

お焚き上げをお願いする場合、神社やお寺によって志程度でいい場合もあれば、ある程度の金額を包まないといけない場合もあります。

お焚き上げの場所まで持ち込む場合は10,000円以内くらい、自宅まで供養に来てもらう場合は数万円くらいかかると考えておくといいでしょう。

いずれの場合でも、事前に具体的な内容を確認しておくことが大切です。専門業者に依頼する場合は、いくつかの業者の見積もりをとることをおすすめします。

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